Apple Watchを手にして「せっかくだから睡眠の状態も記録してみよう」と思う人は多いようです。
けれど、使い始めてみると設定の仕方が分からなかったり、表示されるデータの意味に戸惑ったりすることもあります。
たとえば、「レム睡眠」「深い睡眠」といった言葉は見かけても、それが何を表していて、自分の睡眠にどう関係しているのかは、意外と知られていません。
読めばわかること
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Apple Watchの睡眠アプリでできることがわかる
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各ステージの違いと役割が理解できる
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良い睡眠かどうか判断するヒントがつかめる
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記録されないときの原因と対策がわかる
Apple Watchの睡眠アプリでは、眠っている間の状態をかなり細かく記録できます。ただのグラフや数字ではなく、体調のヒントになるような「気づき」が得られることもあります。
この記事では、睡眠アプリの基本的な使い方から、各ステージの役割や記録の見方まで、無理なく続けられる使い方のコツをまとめています。
Apple Watchの睡眠機能とは?
Apple Watchには、睡眠の時間や状態を記録できる機能が標準で搭載されています。
「ヘルスケア」アプリと連携し、就寝中の体の変化を自動で記録してくれるのが特徴です。
ここからは、Apple純正の「睡眠」アプリでどんなことができるのか、どんな情報が記録されるのかを順に見ていきます。
「睡眠」アプリでできること
Apple Watchの「睡眠」アプリは、眠りの時間を測るだけでは終わりません。眠っている間の状態や変化を捉え、日々の睡眠を可視化するための機能が用意されています。
具体的にどんなことができるのかを見ていきます。
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眠っていた時間を自動で記録できる
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睡眠の深さや変化を可視化できる
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データをiPhoneの「ヘルスケア」で確認できる
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就寝リズムのチェックができる
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体調の変化に気づくヒントになる
眠っていた時間を自動で記録できる
あらかじめ設定したスケジュールにあわせて、睡眠が自動で記録されます。アプリを毎回操作する必要はありません。
睡眠の深さや変化を可視化できる
眠っている間の動きや心拍などをもとに、浅い眠りや深い眠りなどの推移がグラフで表示されます。睡眠の質を把握する手がかりになります。
データをiPhoneの「ヘルスケア」で確認できる
記録された内容は自動的にiPhoneと同期され、日ごとの変化を一覧で見られます。週や月ごとの比較も可能です。
就寝リズムのチェックができる
寝る時間と起きる時間のパターンを記録から確認できます。睡眠のリズムが安定しているかどうかを振り返るのに役立ちます。
体調の変化に気づくヒントになる
心拍や呼吸のデータもあわせて記録されるため、普段と違う反応が続いている場合などに、体調管理の目安として活用できます。
記録される睡眠データの内容
Apple Watchで睡眠を測れるのは知っていても、実際にどんな情報が残されているのかは、あまり意識されないこともあります。
睡眠アプリを使うと、どんなデータが記録できるの?
眠っているあいだの状態は、想像以上に細かく記録されていて、日々の体調を見直すヒントになることもあります。
睡眠アプリで記録できること
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睡眠時間
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睡眠ステージ
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睡眠スケジュールの記録
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心拍数の記録
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呼吸数の記録
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睡眠時無呼吸の通知
睡眠時間 —— 実際に眠れていた時間
Apple Watchでは、寝た時刻と起きた時刻だけでなく、実際に眠っていた時間だけを記録します。
布団に入ってから眠るまでの時間や、途中で目覚めていた時間はカウントされません。「寝たつもり」と「本当に眠れていた時間」の差が見えるのが特徴です。
たとえば8時間眠ったはずなのに疲れが残る日、記録を見返すと実際には6時間しか眠れていなかったということもあります。
睡眠ステージ —— 眠りの深さとそのバランス
睡眠は「レム睡眠」「浅い睡眠(コア)」「深い睡眠」「覚醒」の4つに分けられ、心拍数や動きの変化から自動的に分類されます。
各ステージの時間や割合が表示されることで、睡眠のリズムや質の傾向が可視化されます。
夜中に何度も目覚めた感覚があっても、記録を見ると深い睡眠がしっかり確保されていたと分かり、不安を軽減できることもあります。
睡眠スケジュールの記録 —— 設定した時間とのずれ
就寝・起床時間を事前に設定しておくと、そのとおりに眠れていたかを自動で記録してくれます。
リズムの乱れが数字で見えるため、生活パターンのズレに気づきやすくなります。
たとえば「夜型を直したい」と思っていても、記録を見ると毎日30分ずつ遅れている傾向が明らかになることがあります。
心拍数の記録 —— 睡眠中の身体の反応
睡眠中の心拍数は、眠りの深さや身体の緊張状態を反映する指標のひとつ。
通常は深い睡眠で心拍が下がり、ストレスや疲れがあると高めの値が続くことがあります。
睡眠時間は十分でも、心拍が落ち着いていなければ疲労が抜けていないサインと読み取れる場合もあります。
呼吸数の記録 —— リズムの安定度
1分間あたりの呼吸の回数も自動で記録され、呼吸の安定性や眠りの深さを確認するヒントになります。
規則正しい呼吸が続いていれば問題ありませんが、速さや乱れが見られると浅い睡眠が続いている可能性も考えられます。
たとえば、空調の効いた部屋で眠った日は呼吸数が普段より増えていた、といった変化も可視化されます。
睡眠時無呼吸の通知 —— 異常の兆候に気づくためのサポート
一部のモデルでは、睡眠中の呼吸に乱れがあった際に異常を検知して通知する機能が搭載されています。
これは医療診断ではありませんが、自分では気づきにくい変化を早めに察知するための補助的な仕組みです。
「理由はわからないけれど夜中に目が覚める」という日が続いたとき、通知から睡眠の質に問題があることが明らかになる場合もあります。
睡眠ステージの種類と意味
Apple Watchでは、眠っていた時間のほかに、眠りの深さや変化も記録されています。
睡眠中は、ただ静かに横になっているだけのように見えて、体や脳はさまざまな状態を行き来しています。深く休んでいる時間、夢を見ている時間、無意識に目が覚めている時間など、いくつかのステージを繰り返しながら眠りが進んでいくのが特徴です。
こうした睡眠の流れを理解しておくと、「ぐっすり眠れた日とそうでない日のちがい」や「睡眠時間は足りているのに疲れが抜けない理由」も見えやすくなります。
睡眠ステージの分類
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覚醒
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レム睡眠
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コア睡眠(浅い睡眠)
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深い睡眠
覚醒——実は目覚めている時間
眠っているあいだには、短時間の「目覚め」が何度か訪れています。Apple Watchではこの状態を「覚醒」として記録します。
トイレに起きたときのように明確に意識がある場合もあれば、自分では気づかないうちに一時的に目覚めていることもあり、それらも含めて覚醒時間とされます。
この時間があまりに長くなったり頻繁に記録されていたりすると、睡眠が浅く、休息が十分に取れていない可能性があります。
覚醒が増える要因としては、寝る直前までのスマホ使用やカフェイン摂取、ストレスや緊張状態などが挙げられます。
記録を見て心当たりがあるときは、就寝前の過ごし方や寝具・部屋の環境などを一度見直してみるのも有効です。
レム睡眠——脳が活発に働く時間
レム睡眠は、眠っているあいだに何度か訪れる特殊な状態で、眼球が素早く動き、大脳の活動も活発になっているのが特徴です。
名前の由来でもある「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」のとおり、見た目は眠っていても、脳は「起きている」ような状態に近づいています。
このタイミングで夢を見ることが多く、記憶の整理や感情のリセットに深く関わっているといわれています。Apple Watchでは、心拍や動きからレム睡眠の長さやタイミングが可視化されます。
たとえば、寝てもスッキリしなかった日や、集中力が落ちていると感じたとき、レム睡眠が不足していたことが記録からわかることもあります。感情のコントロールや思考の整理にとって、意外と重要な時間帯ともいえるでしょう。
コア睡眠(浅い睡眠)—— 浅いけれど大切な眠り
コア睡眠は、深い睡眠とレム睡眠のあいだに位置する比較的浅い状態の睡眠です。
眠りの時間帯としては最も長く、全体の睡眠を支える“ベース”のような役割を持っています。Apple Watchではこのコア睡眠も細かく記録され、眠りの流れを把握する重要なデータとなります。
この時間帯には、筋肉や臓器の回復、免疫機能の調整など、身体のメンテナンスが静かに進んでいるといわれています。
深い眠りほど意識は遠くありませんが、体はしっかりと休息モードに入っている状態です。
睡眠の質が落ちていると、コア睡眠の割合が過剰に増え、深い睡眠やレム睡眠が十分に取れないこともあります。
Apple Watchの記録からコア睡眠が多すぎたり、偏っていたりする日が続く場合は、眠りのリズムが崩れているサインかもしれません。
深い睡眠——体を整える回復時間
深い睡眠は、睡眠サイクルのなかでも最も深い休息状態です。
この時間帯には、脳の活動がゆっくりになり、呼吸や心拍数も低下して、身体のあらゆる機能が省エネモードに入ります。
この状態では、筋肉や内臓の修復、免疫力の調整、成長ホルモンの分泌などが活発に行われているとされており、まさに心と体のメンテナンスタイムといえる存在です。Apple Watchでは、深い眠りの時間がどのくらい確保されていたかを毎晩記録してくれます。
たとえば、朝起きても疲れが取れていないと感じた日。睡眠時間は足りていても、深い睡眠が極端に短かったことが記録からわかることもあります。
逆に、深い眠りがしっかり取れていた翌朝は、頭がすっきりして集中力も高まりやすくなるという実感が得られることも少なくありません。
睡眠ステージのデータを解読する
Apple Watchで睡眠を記録してみると、「レム睡眠」「深い睡眠」などの言葉が並んでいて、どれが多ければいいのか、どう見ればいいのか迷うことがあります。
実は、それぞれのステージには理想的なバランスがある程度決まっていて、自分の傾向をつかむことで、眠りの質を見直すヒントにもなります。
ステージ | 割合の目安 | おおよその時間 |
---|---|---|
覚醒 |
なるべく少なめ |
必要に応じて |
レム睡眠 |
約20〜25% |
約1.5〜2時間 |
コア睡眠 |
約50〜60% |
約4〜5時間 |
深い睡眠 |
約15〜20% |
約1〜1.5時間 |
深い睡眠が少ないと、朝起きても疲れが残っている感じがすることがあります。
レム睡眠は夢を見るタイミングで、記憶の整理や感情のリセットに関わっているとされます。
コア睡眠は量が多くても心配はいりません。眠りのベースを支えてくれる時間です。
覚醒が多すぎる場合は、夜中に何度も目が覚めていないかをチェックしてみるとよいかもしれません。
毎日ぴったり理想の比率になるわけではありません。体調やストレス、寝る前の過ごし方でも変化します。数値は完璧さを求めるものではなく、自分のリズムを知る手がかりとして活用するのがちょうどいい付き合い方です。
Apple Watchで睡眠を記録する方法
どんなデータが記録されるかがわかったら、次はどうやって記録を始めるかを知っておきたいところです。
Apple Watchでは、設定さえ済ませておけば、毎晩自動で睡眠を記録してくれます。
ここでは、記録が正しく行われるための準備や、睡眠アプリの設定方法を紹介していきます。
モニタリングの前提条件
Apple Watchで睡眠を記録するには、いくつかの条件がそろっている必要があります。
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睡眠の設定がオンになっていること
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Apple Watchを装着して眠ること
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最低4時間以上の睡眠があること
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1週間以上の着用で精度が上がる
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就寝スケジュールと目標の設定
睡眠の設定がオンになっていること
「Watch」アプリまたは「ヘルスケア」アプリで、睡眠の記録が有効になっているかを確認します。設定をオンにしないと、眠っていてもデータは記録されません。
Apple Watchを装着して眠ること
睡眠中は、Apple Watchを腕に着けておく必要があります。外していると記録は行われません。就寝前には装着を忘れずに。
最低4時間以上の睡眠があること
Apple Watchでは、4時間未満の睡眠は記録の対象外になります。たとえ短時間でも眠ったつもりでも、グラフに反映されないことがあります。
1週間以上の着用で精度が上がる
一定期間(目安は7日以上)Apple Watchをつけて眠ることで、睡眠の傾向を学習し、分析精度が徐々に向上します。毎晩使い続けることがポイントです。
就寝スケジュールと目標の設定
「寝る時間」「起きる時間」のスケジュールや、睡眠時間の目標を登録しておくと、記録の安定性が高まり、分析しやすくなります。
アラームの触覚と強度の設定方法
Apple Watchでは、起床アラームを音ではなく振動で知らせることができます。手首をやさしくタップするような触感は、急な音で驚かされることがなく、自然な目覚めにつながりやすいのが特長です。
ただし、静音モードがオンになっている場合は音が鳴らず、触覚のみでの通知となります。周囲に音を立てたくないときにも便利です。
反対に、音ありのモードにしておけば、緩やかなメロディが流れるアラームとしても使えます。音の種類によって触覚のリズムも少しずつ変わるため、自分に合った組み合わせを見つけておくと安心です。
設定や調整は、Apple Watchの「睡眠」アプリ内で行えます。触覚の強さやアラーム音のテストも可能なので、一度試しておくと使い方のイメージがつかみやすくなります。
睡眠アプリの設定手順
Apple Watchで睡眠を記録するには、iPhoneの「ヘルスケア」アプリと連携した初期設定が必要です。一度設定しておけば、あとは自動で睡眠が記録されるようになります。
「ヘルスケア」アプリで睡眠の基本設定
iPhoneの「ヘルスケア」アプリを開き、「ブラウズ」から「睡眠」を選択します。
最初に表示される案内にそって、以下の内容を順に設定します。
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睡眠目標(例:7時間)
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就寝・起床スケジュール
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就寝準備時間(リラックス時間)
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スリープ集中モードのON/OFF
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ショートカット(音楽やメモなど)※任意
スケジュールは曜日ごとに分けて細かく設定でき、目標に達していないときは画面に注意が表示されます。
無理のない範囲で、毎日一定のリズムを目指せるように組み立てておくのがおすすめです。
「Apple Watchで睡眠を記録」を有効にする
設定の最後に、「Apple Watchで睡眠を記録」という項目が表示されます。
ここで「有効にする」を選ぶことで、Watch本体での記録がスタートします。
この設定により、就寝中はApple Watchの画面が暗くなり、通知や誤操作を防ぐ「スリープモード」が自動で有効になります。
睡眠ステージが記録されないときの対処法
Apple Watchを装着して眠ったはずなのに、「睡眠データが記録されていない…」ということがあります。
その場合、いくつかの原因が考えられます。以下のポイントをチェックしてみましょう。
Apple Watchの装着方法が正しくない
手首への装着がゆるすぎたり、位置がずれていると、センサーがうまく測定できません。
装着時は、手首の内側にフィットするように、バンドを適度な強さで締めておくことが大切です。
ソフトウェアの不具合やバージョンの問題
watchOSやiOSが最新でない場合、記録がうまく反映されないことがあります。
Apple WatchとiPhoneの両方を、できるだけ最新バージョンにアップデートしておきましょう。
バッテリー残量が不足している
睡眠中にApple Watchのバッテリーが切れてしまうと、記録は中断されてしまいます。
就寝前にはバッテリー残量が30%以上あるかを確認し、必要に応じて充電しておくのが安心です。
起床時の操作方法に問題がある
朝アラームを止める際に、誤って睡眠モードを終了させる操作を飛ばしてしまうと、データがうまく反映されないことがあります。
アラームを止めたあと、スリープモードを明確に解除するよう意識してみてください。
デバイスの設定や接続に関する問題
Apple WatchとiPhoneの接続が不安定だと、記録されたデータがiPhoneの「ヘルスケア」アプリに正しく同期されない場合があります。
Wi-FiやBluetoothがオンになっているか、Watchの「睡眠」設定が有効になっているかを改めて確認しましょう。
睡眠が記録されない原因は、ちょっとした設定ミスや操作習慣によるものがほとんどです。
気づかないうちに起きていることもあるため、定期的に設定と装着状態を見直しておくと安心です。
まとめ
Apple Watchの睡眠アプリは、ただ眠った時間を記録するだけではありません。眠りの質やリズム、身体の変化をさまざまな角度から見つめ直す手がかりになります。
たとえば、深い睡眠の時間が少ないと気づいた日から、夜の過ごし方を少し見直すだけで、翌朝の目覚めが軽くなることもあります。
眠りに関するちょっとした“気づき”が、毎日の体調や気分に影響を与えることも少なくありません。
「なんとなく疲れが取れない」「寝ているはずなのにスッキリしない」
そんなときは、Apple Watchの睡眠データを活用してみるのも一つの方法です。
睡眠の状態を知ることで、無理なく続けられる改善のヒントが見つかるかもしれません。
まずは今夜から、腕にApple Watchをつけて眠ってみてはいかがでしょうか。睡眠との向き合い方が、少しずつ変わってくるはずです。